登板 新日鉄住金次期社長の橋本氏「豊富な海外経験生かす」

会見冒頭、握手を交わす新日鉄住金の進藤孝生社長(左)と次期社長に就任する橋本英二副社長=10日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
会見冒頭、握手を交わす新日鉄住金の進藤孝生社長(左)と次期社長に就任する橋本英二副社長=10日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)【拡大】

  • 会見冒頭、握手を交わす新日鉄住金の進藤孝生社長(左)と次期社長に就任する橋本英二副社長=10日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
  • 会見に臨む新日鉄住金の次期社長に就任する橋本英二副社長=10日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)

 「自分に務まるだろうかという思いだった」。会見で橋本氏は、就任を打診されたときの心境をそう述べたが、心のどこかで準備はしていたに違いない。

 平成26年に就任した進藤氏は、24年に経営統合した旧新日本製鉄と旧住友金属工業の融合を図ってきた。一方でグローバル化を重点目標に掲げ、世界最大手の欧州アルセロール・ミタルと、インド大手の大型買収に乗り出している。進藤氏は「国内外の顧客や、同業他社のトップとの人脈が豊富」と橋本氏が適任であることを強調する。

 一方、同社は日新製鋼を1月1日付で完全子会社化し、3月には特殊鋼大手、山陽特殊製鋼の子会社化を控える。橋本氏はグループの結束を強める役割も担うが、進藤氏は「頼りがいがある」とリーダーの資質についても太鼓判を押す。

 だが、橋本氏自身が「大変難しくなりつつある」と話すように、鉄鋼業界は慢性的な供給過剰に陥っており、トランプ米政権の保護貿易主義的な政策は先行きをさらに見通しにくくしている。「楽観的な前提や背伸びをした計画を作ると、かえって正しい事業運営が遠くなる」。新生「日本製鉄」号の初代船長は、豊富な海外経験を生かしながら荒波にこぎ出す。(井田通人)