ゴーン被告、統括会社から不正報酬10億円 日産、三菱自 賠償請求へ

カルロス・ゴーン被告(中央)
カルロス・ゴーン被告(中央)【拡大】

 三菱自動車は18日、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された前会長のカルロス・ゴーン被告(64)に関する不正行為の内部調査結果を公表した。日産自動車との折半出資でオランダに設立した統括会社「日産三菱BV」から、報酬名目で不正に782万ユーロ(約10億円)の支払いを受けていたことが判明。三菱自は日産と共同で、ゴーン被告への損害賠償請求を検討する。

 ゴーン被告への不正報酬は日産との合同調査で判明した。三菱自が同日開いた臨時取締役会で調査担当の弁護士らが結果を報告。三菱自や他の関連会社では不正は見つからなかった。

 東京都内で記者団の取材に応じた三菱自の益子修会長兼最高経営責任者(69)らによると、ゴーン被告は、昨年4~11月ごろにかけて報酬を不正に得ていた。本来は正式な雇用契約と取締役会の決議を経なければならないが、適正な手続きを踏んでいなかった。統括会社は日産、三菱自の連結対象ではないため開示義務を免れていた。

 契約や支払いは、日産幹部ら一部の者に指示して実行され、統括会社の取締役を務める益子氏と日産の西川(さいかわ)広人社長(65)に知らされていなかったという。

 同席した弁護士は、統括会社でゴーン被告に報酬を支払う仕組みが日産と三菱自の正式な資本提携前から準備された疑いがあると指摘。業務上横領の可能性があるとの見方も示した。

 益子氏は「シナジー(相乗効果)を追求するための会社だったはず。正直に言って悲しい」と複雑な胸の内も明かした。

 三菱自は昨年11月に金融商品取引法違反容疑で逮捕されたゴーン被告を代表取締役会長職から同月の取締役会で解任、同様の不正がないか内部調査していた。