【ネクタイをしめたレジェンド】(4)生涯スポーツの普及が役目 朝原宣治さん、元陸上選手 (1/2ページ)

昨秋の世界マスターズ陸上男子400メートルリレーで金メダルを獲得した朝原宣治さん(左端)、武井壮さん(右端)ら(大阪ガス提供)
昨秋の世界マスターズ陸上男子400メートルリレーで金メダルを獲得した朝原宣治さん(左端)、武井壮さん(右端)ら(大阪ガス提供)【拡大】

 昨年、スペインで行われた世界マスターズ陸上のリレー競技に、タレントの武井壮さんらと出場して金メダルを獲得した朝原宣治さん(46)。五輪メダリストとして、今年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会、2020年東京五輪・パラリンピック、21年のワールドマスターズゲームズ(WMG)関西と続く「ゴールデン・スポーツイヤーズ」の盛り上げにつながればという思いを持つ。(聞き手・林佳代子)

 --スプリンターとしては昨年9月、タレントの武井壮さんらとスペインで開催された世界マスターズ陸上の男子400メートルリレーで優勝されましたね

 朝原 関西では今年のラグビーW杯から、来年の東京五輪・パラリンピック、再来年のWMG関西が開かれる3年間を「ゴールデン・スポーツイヤーズ」と位置づけています。スポーツ振興や地域活性化を図ろうとする動きがあり、マスターズ出場で、それを盛り上げたいという思いでした。武井君と別のリレーメンバーと酒を飲んでいるときに「一緒に走ってよ」と誘われたのも動機の一つです。その後、勢いで受けたことを後悔しましたね。予想以上にプレッシャーが大きくて。目標だった世界新記録達成はかなわなかったけれど、なんとか金メダルが取れてよかったです。

 --現役引退から10年ぶりに世界の舞台でレースをされていかがでしたか

 朝原 うれしいというよりも大会に出られたこと自体にほっとしました。競技から離れている時期が長く、会社の階段を上り下りするくらいだったので体を作り直すのが大変で。春から本格的にトレーニングを始め、軽い肉離れを3回も起こしたんです。感覚は若い頃のままなのに体がついてこないという典型的なオッサンやから、30メートル以降が持たない。疲労回復も遅いし、体を本番に間に合わせるのに必死でした。

 --この先もマスターズ陸上には出場されますか

 朝原 武井君と一緒にWMGのアンバサダーを務めているので、再来年までは国内外で走るつもりです。それに、陸上の一般種目はマラソンのようなブームに乗れていないので、何とかしたいという思いもあります。生涯スポーツの普及は僕の仕事の重要なテーマの一つですし、次こそ世界新記録を出したい。

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