東芝、太陽電池の透明化成功 亜酸化銅使用 コスト大幅低減

東芝が透明化に成功した亜酸化銅の太陽電池の試作品
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 東芝は21日、銅の酸化物である亜酸化銅を使った太陽電池を透明化することに初めて成功したと発表した。広く普及している結晶シリコンの太陽電池に重ね、発電効率を高める製品を想定。銅は調達費が安いため、コストを大幅に低減できるとしている。

 上部に置いた亜酸化銅の太陽電池が光を透過し、結晶シリコンの太陽電池が高出力を維持することを確認した。亜酸化銅を薄膜化する際に酸素の量を精密に制御し、従来は困難だった透明化を実現したという。

 異なる性質の太陽電池を組み合わせた「多接合型」の製品には、ガリウムヒ素半導体などが使われている。東芝は亜酸化銅の太陽電池で代用した場合、製造コストを0.1~1%に抑えられると見込む。

 東芝が現在手掛ける結晶シリコンの太陽電池のエネルギー変換効率は17.6%。3年後には亜酸化銅を用いた多接合型で30%に引き上げることを目指している。