■ゲレンデの恋や友情 スピード感とともに
思わずゲレンデへ足を運びたくなる…。そんな冬の風物詩ともいえるCMの一つがJR東日本の「JR SKISKI」キャンペーンCMだ。31年目を迎えた今冬シーズンは18~24歳の若者をメインターゲットに、雪山でのスポーツの楽しさ、友情や恋の予感などを凝縮、「この雪には熱がある。」というキャッチフレーズがピッタリなウェブ動画を展開する。
若手女優の登竜門ともいわれる「JR SKISKI」のイメージキャラクターには若手実力派女優の松本穂香さんと、俳優の伊藤健太郎さんを起用。男女ダブル主演となるのは、1996年冬シーズン以来だ。
「ターゲットの若者層はテレビよりもウェブ動画の視聴時間の方が長いというデータもある」(広報担当者)ことから、今回はテレビCMはなく、動画はウェブでのみ配信。また、視聴方法もスマートフォンがメインのため、動画のフレームサイズもスマホの縦画面サイズで配信。
撮影もスマホを使って臨場感を高めたほか、主演の2人が撮った映像も採用した。第1弾で配信されたのはフルバージョンと30秒バージョン、“松本さん目線”版と“伊藤さん目線”版だ。
フルバージョン動画は、夕暮れの街で信号待ちをする松本さんの横顔から始まる。次のカットは伊藤さんで、薄暗い部屋の中で1人過ごす姿が映し出される。「冬は嫌いだった」「寒いだけの冬は」と松本さんと伊藤さん、別の時間軸で暮らす2人の心の声が流れる。
その後、2人はそれぞれの友人と計画し、3対3の男女6人で上越新幹線に乗ってゲレンデへ出かけ、スノーボードをすることに。初心者らしき動作の松本さんに対し、伊藤さんはなかなかの腕前を見せ、食事や温泉を楽しみ、新幹線で帰路に就く。1日の中で、時間とともに起きるエピソードが次々と切り替わる映像表現はわくわく感をかき立てるし、何より、2人の距離が徐々に縮まっていくスピード感も小気味いい。
“松本さん目線”版と“伊藤さん目線”版は、それぞれが相手をスマホで撮っている、という設定で、続編が順次投入される。
やってみれば楽しい雪山レジャーだが、初めての場合はどこかおっくうさがあるもの。けれど、ほぼ手ぶらで新幹線に乗り、スキー場でかわいいウエアに身を包み、所々でスマホで記念撮影-。今回のキャンペーン動画は、さりげなく雪山レジャーの手軽さも盛り込んでおり、「もしかしたら自分も楽しめるかもしれない」と若者たちが予感できるシリーズになりそうだ。
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■https://youtube/Y1M4BIdU8Yk