地方でのマンション展開活発化 「主戦場」首都圏の用地確保厳しく

「ヤフオク!ドーム」の隣接地で開発が進められている「ザ・パークハウス福岡タワーズ」=福岡市中央区
「ヤフオク!ドーム」の隣接地で開発が進められている「ザ・パークハウス福岡タワーズ」=福岡市中央区【拡大】

 大手デベロッパーが地方でのマンション開発事業を強化している。三菱地所と東京建物は福岡市内で、富裕層を対象としたタワーマンションを販売、好調な売れ行きを見せている。長谷工コーポレーションは中国・四国地方や北関東など未進出エリアに相次いで拠点を新設したほか、大京は地方中核都市の再開発事業に力を入れる。主戦場である首都圏は都心部での用地確保が難しくなっていることもあり、地方をめぐる動きはさらに活発化しそうだ。

投資より圧倒的実需

 一般的には南向きの部屋の人気が高いのに対し、北東向きの方が圧倒的な人気を誇り価格も高い地上40階建てマンションの開発が、福岡市の西側に位置する早良区で進められている。東京建物の「ブリリアタワー西新」だ。

 北東向きの人気が高いのは玄界灘を望む景色のため。博多駅までわずか13分、福岡空港まで18分という地下鉄西新駅に直結するなど利便性が高く、低層階と隣接している部分に商業施設がテナントとして入ることもあって、注目度も高い。

 このため最高価格は2億9800万円と高価格帯の物件ながら、問い合わせ件数は同市内の人気物件の3倍に達する。意外にも投資家は少なく、圧倒的に実需が占める。購入者の8割近くが福岡県内に住む経営者や医者によって占められている。九州支店の小田修敬支店次長は「福岡経済は絶好調。会社経営者に相当のキャッシュがたまっていることを肌で感じる」という。

駅前再開発で攻勢

 三菱地所レジデンスなどが販売する「ザ・パークハウス 福岡タワーズ」(福岡市中央区)は、地上28階建てのツインタワーマンション(総戸数は584戸)。福岡ソフトバンクホークスの本拠地である「ヤフオク!ドーム」に隣接したエリアに建つこともあって、場所の知名度とブランド力が高く富裕層を中心に人気を集めている。

 福岡は暮らしやすいという理由で転勤族の人気が高く、子育てが終わったり、定年を迎えたりした後に福岡に移住するケースが多い。こうした市場背景を踏まえ、九州支店の米井貴宏・販売グループリーダーは「用地の確保が厳しくなるのは必至だが、安定供給を行っていきたい」と話す。

 また、同社では福岡を足がかりに長崎や熊本といった九州各地の主要都市にも展開する計画。吉田淳一社長は「地方の中核的な都市の街づくりの中で、果たすべき役割をきちんと担っていきたい」と語る。

 長谷工コーポレーションは、東京や大阪など大都市圏に特化した事業戦略を進めてきたが、施工以外の事業分野で地方戦略を急ピッチで展開している。九州に続いて昨秋には広島や岡山、高松、宇都宮、水戸などの各市に拠点を設置。駅前の再開発事業を中心に地方での攻勢をかけていく。一方、大京は昨年9月末時点で、22カ所の再開発事業に携わっているが、東京都区部以外の案件が20カ所も占めるなど、地方重視の事業体制を推進している。