スイスのダボスで開催されたダボス会(議世界経済フォーラム年次総会)に合わせて行われたレセプション「ジャパンナイト2019」に23日夜(日本時間24日未明)、県産の日本酒やつまみが提供された。風評被害の払拭や販路拡大に向け弾みとなった。
ジャパンナイトは日本の大手企業や大学など29団体が協賛、各国から約600人が参加した。
安倍晋三首相らが樽(たる)を割って乾杯した奥の松酒造(二本松市)の「あだたら吟醸」をはじめ、県内の7銘柄の日本酒が振る舞われたほか、「若桃の甘露煮」などのつまみ、土産として白河だるまなどが用意された。
安倍首相は提供された末廣酒造(会津若松市)の「やまとのこころ」に使われた酒米が自身の地元の山口県産であることに触れ、会津藩と長州藩の歴史を念頭に「世界平和を祈りながら、このお酒を飲んでいただきたい」と語った。
ジャパンナイトでの県産品提供は平成28年、昨年に続き3回目となる。
一方、マレーシアでは25日から福島県産「こしひかり」の無洗米をクアラルンプールのイオンマレーシアで新たに販売、県産品振興戦略課職員らを派遣し、プロモーションを実施し攻勢をかける。
水に臭みが残る現地では、コメをとぐ必要がなく市販の水で炊くだけの無洗米に対する需要が高い-との情報を受けた措置。
マレーシアでの県産無洗米販売は初めてだが、東日本大震災前の香港でも好まれ、年間約100トンの県産無洗米を輸入していた。
風評被害により激減した香港に代わって輸入量を増やしているのがマレーシアで、昨年度の輸入量は101トン。今年度は1月段階で103トンと伸ばしている中、富裕層に好まれる無洗米を新たに投入、さらに拡大させたい考えだ。