現場の風

東京海上日動火災保険 サイバー補償、専門機関と連携加速

 □東京海上日動火災保険常務・川口伸吾さん(57)

 --2018年度にスタートした新中期経営計画では企業のサイバーリスクを補償する保険の強化が柱の一つだ

 「収入保険料の半分以上を占める自動車保険が、少子高齢化による保有台数の減少や技術革新に伴う事故件数の減少で長い目でみると減る。一方、サイバー攻撃は企業の抱えるメーンリスクとなっており、こうした伸びしろの大きい新種の保険サービスを提供し、自動車保険が減る分を補う収益構造の変革がテーマになっている」

 --これまでの取り組みを

 「15年に国内初となるサイバーリスク保険を発売し、情報漏れに伴う賠償責任や不正アクセスの恐れが判明した際の原因調査、データ復旧費用などを包括的に補償している。リスクへの認識が高まり、大企業だけでなく中堅企業でも契約が増えてきた」

 --中小企業向けにも昨年加入しやすい割安な商品の販売や相談窓口の開設を行った

 「中小企業がサイバー攻撃を受け、大企業のサプライチェーンが止まってしまったり、中小のシステムを踏み台に大企業に侵入したりする手口もあるので、中小への普及が大事だと思っている。商工会議所と協力し団体契約として低廉な保険料かつ簡素な手続きで加入できる商品なども発売した。中小には経営者に経営そのもののリスクと認識してもらえるよう喚起することも重要だ」

 --サイバーリスク保険には各社が注力し始めているが、どう差別化するのか

 「いかに事故を起こさないかや起こった際の初動対応を迅速に十分な費用をかけてできるかがポイントになる。そのためには当社が核になり、多くのセキュリティーの専門機関と連携してリスク全般をコンサルティングできる体制を構築する。ネットワークづくりをさらに拡充し、技術的な知見の向上を図っていきたい」

【プロフィル】川口伸吾

 かわぐち・しんご 東大法卒。1984年東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。企業商品業務部長、執行役員などを経て2018年から現職。神奈川県出身。

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