戦略割れる自動車大手 電動化やリストラ 北米自動車ショー (1/2ページ)

米中西部デトロイトで開催されている北米国際自動車ショーで、米高級車ブランド「リンカーン」の新車を撮影する中国メディアの報道陣(塩原永久撮影)
米中西部デトロイトで開催されている北米国際自動車ショーで、米高級車ブランド「リンカーン」の新車を撮影する中国メディアの報道陣(塩原永久撮影)【拡大】

 新車販売が年1700万台を超える米国で、右肩上がりだった自動車市場が潮目の変化を迎えている。今年は販売の鈍化が予想され、メーカーは電気自動車(EV)などの成長分野の模索やコスト削減の圧力にさらされている。米ミシガン州デトロイトで27日まで開かれている北米国際自動車ショーでは、各社が発表する新型車や事業提携などから、経営戦略の違いも鮮明になっている。

 「自動車業界は電動化や環境規制の強化で抜本的な変革期を迎えている」

 ドイツ自動車最大手フォルクスワーゲン(VW)のディース最高経営責任者(CEO)は15日、米フォード・モーターとの提携発表の電話会見でこう述べ、競合他社との連携強化の必要性を強調した。

 提携で両社は、小型トラックなどの相互供給を手始めに、次世代車の本命とにらむEVや自動運転技術の開発分野へと提携拡大を図る。新技術には巨額の投資が求められ、「独力ではできない」(フォードのハケットCEO)事情も再編を促した。

 一方、日産自動車は、前会長のカルロス・ゴーン被告が逮捕、起訴された問題を受け、ゴーン被告が主導したフランスの大手ルノーとの企業連合が揺らぐ。北米事業責任者のル・ヴォット氏は電動化車両の投入目標を示す際、あえてルノーと三菱自動車を加えた3社連合の数値を提示。連合堅持の姿勢をにじませたが、ゴーン被告については言及を控えた。

続きを読む