三井住友海上が通訳案内士向け保険 訪日客拡大に備え

 三井住友海上火災保険は日本観光通訳協会と提携し、同協会に所属する全国通訳案内士向けの賠償責任保険を月内に販売する。訪日外国人観光客への通訳ガイドを行う際、業務ミスで損害賠償を求められるリスクを包括的に補償する。来年の東京五輪に向け訪日客の拡大が見込まれる中、通訳案内士が安心して仕事をできる環境を整備する。

 保険は2つのプランが設定されており、年間保険料2800円を支払うプランでは、最大補償額は事故1件あたり100万円で、年間300万円まで。保険料4800円のプランは1事故あたり1千万円、年3千万円までだ。

 通訳案内士が飲食店に食品情報を誤って伝え、訪日客がアレルギー反応を起こしたり、スケジュール管理を誤って飛行機に乗り遅れ、追加の宿泊料や発券費用が生じたりした際などに、賠償費用を保険金で賄う。

 これまで通訳や観光案内を行って報酬を得る通訳案内士が個人として加入できる、業務中に起こした事故に対する保険はほとんどなかった。訪日客は昨年3千万人を超え、4千万人到達も視野に入る。通訳案内士のニーズも今後さらに高まる見通しだ。旅行社などに所属しない個人事業主の通訳案内士が保険に加入して業務をしやすい環境を整え、訪日客の受け皿の充実につなげたい考えだ。