□リコー社長・山下良則氏に聞く
--2019年度は中期経営計画の最終年度となる
「今年は『躍動』がテーマ。社長就任以来、聖域なき改革に取り組み、利益重視の風土を目指してきた。その成果が表れ始め、取引先も『リコーは変わった』と評してくれる。次は成長だ。顧客視点が成功の鍵となる」
--本業のオフィス事業は、ITサービスを強化する
「プリント(複合機)の先に、例えば紙の請求書や発注書を自動でデジタルデータ化するアプリ(応用ソフト)を乗せるといった考え方だ。対応する新機種を1月に売り出した。中小企業の業務効率化に貢献できるだろう。ハードは世界共通の設計だが、アプリは各地域・各業種のニーズに合わせて柔軟に対応する。『働き方改革のリコー』として選ばれるようになるのが目標だ」
--デジタルカメラ事業の方針は
「製品数を絞る必要はあるが、必要な事業だ。根強いファンが存在するし、市場の変化が激しいBtoC(一般向け)商品は技術開発の牽引(けんいん)力となるからだ。実際、トヨタ自動車の高級車『レクサス』搭載のステレオカメラとして採用されるなどBtoB(法人向け)のビジネスにつながっている。360度カメラ『シータ』も、不動産会社から内見写真の撮影用に引き合いが強い」