「上司の話は聞きたくない」「地獄におちない」 ネーミングと味に秀でたメロンパンが人気 (3/3ページ)

店頭に並ぶユニークな商品名のシュークリームメロンパン=1月、東京都港区(岡田浩明撮影)
店頭に並ぶユニークな商品名のシュークリームメロンパン=1月、東京都港区(岡田浩明撮影)【拡大】

  • シュークリームメロンパンを販売するJR駅構内の店舗=1月、東京都港区(岡田浩明撮影)
  • 店頭に並ぶユニークな商品名のシュークリームメロンパン=1月、東京都港区(岡田浩明撮影)

 大阪府吹田市出身の阪田さんは幼少時代、毎週水曜日に自宅近くに来る移動式のメロンパン屋が楽しみで、小銭を握りしめて並んだ。30代になって、阪田さん自身が同級生と東京でメロンパン屋を開業することに。幼少時代に口にした思い出のメロンパンの味を再現するため、「1万個ほど食べた」という。

 試行錯誤の末、クッキー生地を薄くして軽い食感にした方がおいしいと気付いた。思い出の味の再現を目指していたが、完成したのはオリジナルの味だった。

 店名の「HAPPy HAPPy」には「幸せになる味と空間を提供したい。一言でいえば、食べてハッピー来てハッピー」(阪田社長)という願いを込めた。接客にも力を入れている。マニュアルにとらわれない「クスッと笑えるようなユーモアを大切にしている」という阪田社長はこう続ける。

 「例えば、指を差して『これ』と注文する人がいるけれども、こちらから『えっ?』とあえて聞き返し、『上司の話は聞きたくない』とか商品名を口にしてもらうよう工夫している。お客さんとは長々と会話もできないので、少しでも笑ってもらえるようにしたいから」

 1月、JR大宮駅構内。ぽっこりした腹回りの中年男性が「シュークリームメロンパン」を買い求めた。「『上司の話は聞きたくない』、1つください」。高カロリーのスイーツはメタボの天敵のはずだが…おいしさには勝てないのか。「『幸せ』が入ってますから、こぼさないように。おいしいのでカロリーは“ゼロ”です。ぜひ真夜中に食べてくださいね」

 女性店員がユーモアたっぷりに商品を手渡すと、固かった男性の口元が少し緩んだ。

 深夜、どんな上司を想像してほおばるのだろうか。

 (飯嶋彩希)