ルノー、ゴーン被告の疑惑通報 会社資金を不正使用か

パリにあるルノーの本社(ゲッティ=共同)
パリにあるルノーの本社(ゲッティ=共同)【拡大】

 フランス自動車大手ルノーは7日、会長兼最高経営責任者(CEO)だったカルロス・ゴーン被告による会社資金の不正使用疑惑について、司法当局に通報することを決めたと発表した。ゴーン被告をめぐっては、会長を務めていた日産自動車で多くの不正疑惑が浮上。ルノーでも不正を行った初の例となる可能性がある。

 フランス紙フィガロは6日、ゴーン被告が2016年10月に同国のベルサイユ宮殿で結婚披露宴を開く前の同6月、ルノーが宮殿の修復を財政支援する企業メセナの契約をベルサイユ側と締結。見返りのサービスの一つとして宮殿の無償使用が認められたと報じた。

 ルノーは発表で「メセナ契約の枠内で、5万ユーロ(約620万円)相当の対価がゴーン氏の個人的利益として与えられていた」と指摘。さらに詳細を調べるため当局への通報を決めたとしている。メセナの金額は明らかにしていない。

 ルノーは日本でゴーン被告が逮捕された昨年11月から同社でも不正がなかったかどうか内部調査を行っており、その過程で今回の疑惑が見つかったという。

 ゴーン被告と妻、キャロルさんとの再婚の披露宴は、ベルサイユ宮殿内の大トリアノン宮殿で行われ、豪華さで話題となった。

 また、フランス経済誌シャランジュ電子版は6日、ルノーの筆頭株主であるフランス政府が同社と日産、三菱自動車の3社連合を永続化させるため、ルノー株を手放す用意があると伝えた。経済・財務省は同誌の取材に「完全否定」し「連合の強化を図るため」スナール新会長を信用しているとコメントした。(パリ 共同)