動き出す有人月基地計画 3年後にも建設開始、巨額費用が壁 (1/3ページ)


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 米国が2020年代に国際協力で目指す有人月探査計画が具体化に向けて動き出す。月の上空に基地を建設し、将来の有人火星飛行にもつなげる壮大な計画だ。参加を決めた日本は今年から本格的な検討に入るが、巨額の費用負担など課題は多い。(草下健夫)

 ◆得意技術で貢献

 月基地の建設構想は米航空宇宙局(NASA)が2年前に公表した。1960年代の米アポロ計画以来となる有人月探査で、2030年代の火星飛行に必要な技術の獲得も進める。

 NASAは国際宇宙ステーション(ISS)で協力関係にある日露欧、カナダなどに参加を要請。トランプ米大統領は「米国人を月に戻す」と表明し、昨年2月には関連経費を盛り込んだ予算教書を発表した。

 これを受け日本政府は昨年末、計画に参加する方針を決め、宇宙基本計画の工程表に「国際調整や具体的な技術検討、技術実証を主体的に進める」と明記した。議論を進めた宇宙政策委員会の葛西敬之(よしゆき)委員長は「米国の意思が明確になったことが一番の牽引(けんいん)材料になった」と説明する。

 今後は日本が担う役割を具体的に検討し、国際交渉を進めていく。宇宙飛行士の大西卓哉さんは「日本はISSの実験棟きぼうでの有人滞在や、物資補給機こうのとりの技術が得意分野。これらを生かし貢献するとよい」と期待を語る。

 ◆月面着陸が目標

 計画案によると、基地は月を南北に回る楕円(だえん)軌道を周回。質量は約70トンとISSの6分の1で、NASAが開発中の大型ロケットで区画ごとに打ち上げる。

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