DeNAと関電 石炭火力発電所でゲーム開発用AI技術応用 (1/2ページ)

DeNAのAI技術を使って効率化を目指す関西電力の舞鶴発電所=京都府舞鶴市(関西電力提供)
DeNAのAI技術を使って効率化を目指す関西電力の舞鶴発電所=京都府舞鶴市(関西電力提供)【拡大】

  • 発電所内で石炭を粉砕する「微粉炭機」

 DeNAは関西電力と合同でゲーム開発に用いられる人工知能(AI)技術を応用し、石炭火力発電所の燃料運用スケジュールを最適化するシステムを共同で開発した。二酸化炭素(CO2)排出量を抑制する環境対策の費用がかさみ、採算性が悪化する石炭火力は新設計画の断念が相次いでいる。設備投資が鈍る中、IT技術を使ったソフト面での効率化に注目が高まる。

 共同開発したシステムでは複数の貯蔵施設にある品質の異なる石炭を交ぜて燃やすスケジュールをAIが数分で作成する。

 関電の舞鶴発電所1、2号機(京都府舞鶴市、出力各90万キロワット)に導入する。2020年度に本格運用を始め、20年代前半には外販も視野に入れる。DeNAによると、電力会社とDeNAの協業は初めて。

スケジュール自動作成

 電力会社だけでなく、製鉄工場や化学プラントにも応用できる可能性があると見込む。関電とDeNAは他社展開も共同で進める。

 石炭は調達先によって熱量などの品質が異なる。安定した燃焼効率とコストのバランスを考えながら、複数の石炭を交ぜてボイラーで燃やしている。舞鶴発電所では、最も代表的な石炭である瀝青炭(れきせいたん)のほか、亜瀝青炭という水分を多く含むものを使用しているという。

 燃焼効率の良い組み合わせや貯蔵施設や受け入れ施設の定期点検、石炭船の運航計画、天候などを考慮して運用スケジュールを組み上げる。これまでは、熟練技術者が半日かけて作成していた。

 関電によると、複雑なスケジューリング業務の自動化を模索していたところ、昨年、DeNAからAI活用の提案があったという。

 DeNAがゲーム向けに開発したAIを応用し、膨大な組み合わせの中から最適な石炭の運用ができるようにする。4カ月先までのスケジュールを自動で作成できる。同社はシステムの開発に当たり、熟練技術者の判断プロセスを論理的に分類。「イエス」と「ノー」の分岐を明文化することでアナログな匠の技をデジタル情報に変換し、数理モデルを構築した。DeNAの永田健太郎シニアマネジャーは「発電量やコストが桁違いに大規模。システムの精度によって大きな差が生まれてしまう」とデジタル化の難しさを語る。

 AIを導入することで、経験の少ない技術者でもスケジュールを組めるようになり、若手人材の育成にもつながる。

 石炭火力は欧州のCO2の排出規制の強化などで逆風にさらされている。設備投資が鈍れば、発電所の新設や改修によるハード面での効率化が困難になる。

安価で安定した発電量