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日本企業、英脱出の動き加速も EU離脱控え 混乱警戒

 英国の欧州連合(EU)離脱期限が3月末に迫る中、現地に拠点を置く日本企業が「合意なき離脱」に伴う混乱への準備を急ぎ始めた。2021年中に英国での四輪車生産終了を発表したホンダにとどまらず、日立製作所など他の英国進出企業も身構える。国内産業界に“英脱出”の動きが広がりそうだ。

 19日、ホンダの八郷隆弘社長は記者会見で、EU離脱と工場閉鎖の関係性を否定した。ただ、EU離脱の問題から先行き不透明感が増している欧州事業をてこ入れする狙いが透けてみえる。

営業益確保が厳しく

 英南部のスウィンドン工場では小型車「シビック」などを生産し、主に日本や米国向けに出荷。閉鎖に伴って、供給は中国や日本などから行われる可能性がある。

 英国工場では、欧州での販売競争の激化から生産能力を従来の年25万台から大幅に縮小し、欧州では本業のもうけを示す営業利益の確保が厳しくなっていた。

 自動車業界では、今年に入って生産戦略を見直す動きが活発化。日産自動車は3日、英北東部のサンダーランド工場で予定していたスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」の次期モデルの生産計画を白紙撤回すると発表。英中部のバーナストン工場で年約13万台を製造するトヨタ自動車も、生産休止を検討する構えだ。

物流停滞を警戒

 また、合意なき離脱の場合、ハンガリーから英国にSUVを輸出するスズキも関税を払う必要が出てくるため、通関手続きで物流が停滞する動きを警戒する。

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、英国とEU間の関税がトヨタ、日産、ホンダ、スズキの業績に与える影響について分析し、4社合計で約1590億円の負担増になると試算。杉本浩一シニアアナリストは「関税が導入されると、ホンダを除く各社も日米などに車両生産機能を移すことを真剣に考える可能性がある」と指摘している。

 他の日本企業では、ソニーがロンドン郊外に置く欧州本社を3月29日付でオランダのアムステルダムに移転。パナソニックは、昨年10月に欧州本社をオランダへ移転済みだ。(臼井慎太郎、山沢義徳)

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