ホンダ、欧州生産から撤退表明 英工場を21年に操業終了、EV販売は強化

19日、英国工場での完成車生産終了について東京都内で記者会見するホンダの八郷隆弘社長
19日、英国工場での完成車生産終了について東京都内で記者会見するホンダの八郷隆弘社長【拡大】

 ホンダの八郷隆弘社長は19日、英南部スウィンドン工場での完成車生産を2021年中に終了すると発表した。トルコでも生産をやめ、欧州生産から撤退する。東京都内で記者会見した八郷氏は、電気自動車(EV)などの電動化に対応する必要性を強調。欧州には、環境規制厳格化の方向性が近い中国で生産した車両を輸出する戦略にシフトするという。

 会見では、英国の欧州連合(EU)離脱の影響に関する質問が相次いだが、八郷氏は「考慮していない」と否定。「英国、トルコとは従来通り良好な関係をつくっていきたい」と強調した。

 ホンダは英国で約3500人、トルコで約1100人の従業員を雇用する。生産撤退が両国の雇用や経済に影響を与えることもあり、慎重な発言が目立った。

 英国に駐在した経験がある八郷氏は、生産終了について「残念な思いでいっぱいだ」と発言。工場の存続に関しては「労使間の協議で決める」と話したが、閉鎖する可能性が高いとみられる。

 「合意なき離脱」への懸念が高まったこの時期に生産撤退を発表したことに関しては「混乱は認識しているが、(英国で生産している主力車)シビックの次期モデルの生産拠点を決める時期で、取引先に迷惑をかけたくなかった」と話した。部品メーカーなどの生産計画への影響を抑えるためだと説明した。

 スウィンドン工場では昨年、「シビック ハッチバック」を約16万台生産した。生産した車の55%は北米向けだったため、次期シビックは北米などで生産した方が効率的と判断した。

 また、欧州では燃費に関する規制が厳しい。中国も現地生産の一定比率をEVなどの「新エネルギー車」にすることを義務付ける規制を今年導入した。

 大量生産すれば、販売価格を抑えやすく、世界最大の市場である中国でEVなどを生産し欧州に輸出することで、「ブランドをもう一度強化していく」(八郷氏)狙いがあると説明した。

 ホンダは30年に世界販売の3分の2を電動化するという目標を掲げているが、欧州地域ではこの目標を5年前倒しするという。