独シーメンスCEO「この1年は大きな機会」 日立とのシェア争いに自信

質問に答えるシーメンスのジョー・ケーザー最高経営責任者=19日、東京都内
質問に答えるシーメンスのジョー・ケーザー最高経営責任者=19日、東京都内【拡大】

 重電大手の独シーメンスのジョー・ケーザー最高経営責任者(CEO)は19日、インタビューに応じた。競合相手の日立製作所が、大型買収で送配電事業の世界大手に浮上することについて「買収が完了するまでがシーメンスにとっては大きな機会」と述べ、需要拡大が見込まれる主力事業のシェア争いについて自信を示した。一方、鉄道事業で、世界大手の仏アルストムとの統合計画案を認めなかった欧州委員会の決定には疑問を呈した。

 シーメンスは、昨年8月に明らかにした4月からの組織再編で、送配電事業を、工場自動化などの「デジタルインダストリー事業」、都市インフラ整備などの「スマートインフラストラクチャー」事業と並ぶ主力事業に位置づける。ケーザー氏は「企業や個人までが発電、消費するなど電力供給形態が変化しており、有望な市場だ」と語る。その上で、スイスの重電プラント大手ABBから送配電事業を買収する日立について、「グローバルで尊敬するブランド」と評価する一方、「(買収により)2020年に新会社を設立する。この1年は大きな機会だ」と述べ、ライバルが態勢を整える前に攻勢をかけていく考えを示した。

 欧州委から競争法違反として“待った”がかかったアルストムとの鉄道事業統合については、「決定については尊重するが、世界のニーズを反映しているかは疑問だ」と強調。「中国では企業統合で寡占化が進んでいる」と、鉄道インフラ投資分野における世界最大手の中国中車を念頭にもどかしさを語った。

 ただ、新たな事業提携の可能性については、「高成長の事業分野なので、まだリラックスしていられる」とした上で、「興味を持ってくれた企業から連絡があったときに提案したい」と明言を避けた。