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中央住宅、DGR活用の戸建て分譲 初の次世代電力コミュニティー

 ポラスグループの中央住宅(埼玉県越谷市)はさいたま市緑区で、DGRによる次世代型電力コミュニティーを日本で初めて導入した戸建て分譲住宅の販売を開始した。

 分譲地は45棟で構成されており高砂建設(埼玉県蕨市)、アキュラホーム(東京都新宿区)と共同で開発した。このうち33棟を中央住宅が担当。「浦和美園E-フォレスト コネクテッドサイト」として売り出した。

 DGRによる次世代型電力コミュニティーは、環境省の実証事業で、デジタルグリッド(東京都千代田区)が代表事業者を務める。具体的には分譲地内の5棟(このうち中央住宅の担当は3棟)に太陽光発電とDGR、蓄電池を設置。家同士と、家と浦和美園エリアのイオン系コンビニエンスストア、イオンモールとコンビニの間で電力の融通実証を行う。

 ただし1日前の太陽光発電量予測や蓄電池残量、需要予測といったデータは取得するが実際の金銭のやり取りはなく、仮想的な取引となる。実証事業ではブロックチェーン技術を活用。電力取引システムを安価に構築するための検証を進めていく。

 「浦和美園E」は太陽光発電のほか、ガスと電気の長所を取り出して併用したハイブリッド給湯・暖房システムを採用。また、住戸内で使うエネルギーを計測して見える化し、設備機器を制御するHEMS(ホーム・エナジー・マネジメント・システム)を搭載するなど、省エネ対策に力を入れている。

 住戸内は、(1)自然な木目を訴求した「森の家」(2)おしゃれなキッチンが売り物の「スタジオハウス」(3)「アートの家」-という空間と素材に特徴を持たせた3つのプランを用意した。第1期分(18棟)の販売価格は4780万~5680万円。

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【用語解説】DGR(デジタルグリッドルータ)

 太陽光発電の電力を建物間で融通したり、電力系統が停電した場合でも無停電化を実現できるシステム。

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