第一生命が「オルタナティブ投資」特化部署を4月新設

第一生命保険が投資したベンチャー企業で、サイボーグ技術の研究・開発を行う「メルティンMMI」(提供写真)
第一生命保険が投資したベンチャー企業で、サイボーグ技術の研究・開発を行う「メルティンMMI」(提供写真)【拡大】

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 第一生命保険がベンチャー企業などへの投資を手掛ける専門部署「オルタナティブ投資部」を新設することが21日、分かった。4月1日に設置する。高収益が見込まれるオルタナティブ(代替)投資の専門人材を育て、低金利環境でもリスクを抑えながら運用益を確保する。オルタナティブ投資に特化した組織の設立は国内生保で初めて。

 新設部署ではベンチャー企業の成長性の見極めなど専門知識が必要な投資を行う。3年間でオルタナティブ投資の残高を1・5倍に拡大し、投資を通じてベンチャーとの関係を構築して保険業に応用可能な先端技術の取り込みも図る。

 第一生命は平成29年以降、オルタナティブ投資の一環として、先進技術などで社会課題の解決を図る企業に対する「インパクト投資」を推進。ベンチャー8社に計30億円超を投資してきた。ベンチャーの技術で認知症を早期発見できるアプリも実用化している。

 第一生命は来年2月には運用関連の事務作業を自動化し、年間4万時間分の業務を効率化も予定。空いた人員をオルタナティブ投資の案件精査に投入し、年間数十億円分は収益力が向上すると試算している。