探査機「はやぶさ2」が22日午前、小惑星「リュウグウ」への着地に成功したとみられると宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表した。物質を採取できていれば、初代はやぶさに続く成果で、生命の起源に迫る謎の解明が期待される。
JAXAは地上に届いた信号を基に午前8時過ぎ、機体が着地し上昇したことを確認した。担当者は「着地に成功したと考えられる」と話した。機体は物質を採取するための弾丸を発射する信号も出したが、実際に発射したかは分からないという。
はやぶさ2は21日、高度約20キロから降下を開始。危険な岩場を避け、赤道付近にある半径3メートルのわずかな平地に着地することを目指して降下を続けていた。
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目的地周辺の地形を事前に調べ、降下中に観測した地形と照合して位置を確認しながら降下。目標から外れると自動的に降下を中止する機能があることから、着地すれば目的地に降りた可能性が高いという。着地点は数日後に判明する。
計画では22日午前、高度約500メートルで自動降下を開始。同45メートルで位置確認のため地上に投下した目印を検知した後、目標地点の上空へ移動し、機体底部にある筒状の物質採取装置を着地させることを目指した。
着地すると装置から地表に弾丸が発射され、舞い上がった砂を取り込む仕組み。採取できたかは帰還後、収納カプセルを開封するまで分からない。
初代はやぶさは平成22年、小惑星の物質を世界で初めて地球に持ち帰ったが、弾丸の発射には失敗し微量の粒子しか採取できなかった。今回の採取が成功していれば、日本は重力の小さい天体で独自の探査方法を確立したことになる。
リュウグウは有機物や水が豊富にあるとされるタイプの小惑星。採取した物質を分析し、生命の材料である有機物などが小惑星の衝突によって原始の地球に運び込まれたとする仮説の検証を目指す。
はやぶさ2は26年に地球を出発し昨年6月にリュウグウに到着。さらに2回着地して今年末にリュウグウを離れる。エンンジンを噴射して地球に向かい、東京五輪閉幕後の32年末に帰還する予定だ。