小惑星探査 世界リードする日本の技術力


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 日本は平成22年に初代はやぶさで小惑星の物質を初めて地球に持ち帰り、世界の小惑星探査をリードしてきた。技術を向上させた後継機のはやぶさ2が困難とされた着地を乗り切ったことで、日本のお家芸は揺るぎないものとなった。

 小惑星など重力が小さい天体では機体を制御しにくく、着地が難しい。高性能の探査機と精密な制御技術が必要で、物質を回収できたのは日本だけだ。米国も彗星(すいせい)から出るちりを回収したが、着地はしていない。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の准教授で、はやぶさ2チームの吉川真(まこと)氏は「日本はリスクが大きい探査に技術力で取り組み、世界から高い評価を受けている」と話す。

 惑星探査は米露が先行してきたが、近年は火星でインドが探査を実施し、中国も計画するなどアジアが台頭している。こうした中、日本は重力の小さい天体で強みを発揮しており、2020年代には火星の衛星からの物質回収を目指す。

 はやぶさに触発された米国は昨年12月、別の小惑星に探査機を到着させ猛追しているが、着地は来年の予定で日本がトップを走る。吉川氏は「はやぶさ2の成功で日本の宇宙技術のレベルの高さが、さらに理解されるだろう」と話す。

 小惑星探査は太陽系の歴史解明などの科学成果だけでなく、人類の安全にも貢献する。将来、地球に衝突する恐れがある小惑星はリュウグウなど1700個以上に及ぶ。詳しい探査で形成過程などが分かれば、対策に役立つ可能性がある。

 はやぶさ2は今年7月までに、世界初となる小惑星の地下の物質採取に挑む。装置を爆発させてクレーターを作るなど高度な技術が必要だ。日本がさらに技術力を磨いて存在感を高めていくのか。世界が注目している。(草下健夫)