【クルマ三昧】ゴムは生モノだから… 新品タイヤに交換したら走り味が激変した (3/3ページ)

 とはいえ、植物が分泌した天然ゴムが原料なのだから、当然劣化もする。長期保管では変形もする。新品に履き替えた瞬間にしっとりとなめし革を踏んでいるかのようにしっとりとし、真円が復活するのはそんな理由によるのである。

 以前あるタイヤ開発者がこう言っていたことを思い出した。

 「今年のタイヤはいいですよ。東南アジアの天然ゴムを原料としているのですが、雨期も乾期もゴムの生育に適した天候でしたからね」

 まるで米屋の大将が、コシヒカリやササニシキを勧めるかのように製品を褒めたのだ。

 タイヤはけして安価なものではないから、減ってからではないと交換する気にはなれない気持ちも理解できる。だが、産地の天候によって味が異なり、保管状態によって舌触りが変化するようなことがタイヤにも起こっているとなると、できれば無理をしてでも頻繁に新品タイヤに交換したくなるものだ。

 【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちらから。

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【プロフィール】木下隆之(きのした・たかゆき)

木下隆之(きのした・たかゆき)レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター

東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。