セブン-イレブン、時短営業実験に着手 人手不足加速、便利さ転換点

「セブン-イレブン東大阪南上小阪店」の店頭に掲示された、営業時間短縮を知らせる張り紙=2月21日、大阪府東大阪市
「セブン-イレブン東大阪南上小阪店」の店頭に掲示された、営業時間短縮を知らせる張り紙=2月21日、大阪府東大阪市【拡大】

 便利な暮らしの象徴とも言えるコンビニの24時間営業が転換点を迎えた。過酷な労働実態を訴え出た一部加盟店オーナーに背中を押される形で、最大手セブン-イレブン・ジャパンが時間短縮営業の実験に着手することを決めた。働き方改革が人手不足産業の本丸に及び、同じ課題を抱える周辺業界に今後広く波及していく可能性がある。

 セブン-イレブンは1974年の1号店オープンから日本のコンビニ文化を創り上げてきた業界のリード役だ。ファミリーマートは既に時短営業の実験に動き、ローソンも加盟店の事情に応じ一部店舗の時短営業を認めている。そうした中でも24時間営業をコンビニの存在意義と捉えるセブンは「見直しに後ろ向き」(業界関係者)とされ、古屋一樹社長も、これまで見直しは考えていないと発言してきた。

 だが、フランチャイズ加盟店に本部社員を派遣するなど24時間営業を維持するための施策は有効に機能していない。大阪のオーナーが自主的に時短営業を始め、世間の注目を集めたことで、本部としても見直しを検討せざるを得なくなった。

 24時間営業を見直す動きは外食産業で先行している。フランチャイズ展開が中心のコンビニとは異なり、直営店が多いため、深夜営業に伴う人件費の上昇が収益を直接圧迫していることが背景にある。

 ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングスは、2017年1月までに24時間営業を全てやめた。担当者は「客に不便を掛けることにはなるが、従業員の働く環境整備も重要だと考えた」と話す。

 「ガスト」を運営するすかいらーくや日本マクドナルドも24時間営業の見直しを進めている。コンビニが追随したことで、従業員確保や採算改善に向けた時短営業が外食でさらに加速する可能性がある。

 コンビニ業界がセブンを筆頭に24時間営業に固執してきたのは、深夜営業をやめれば、つられて昼間の売り上げが減少すると信じられてきたためだ。コンビニは近隣店との客の奪い合いが激しく「深夜の来店時に閉まっていれば、昼間も他の店舗に行く習慣ができてしまう」(コンビニオーナー)ことを恐れていた。

 昼間の営業のための商品陳列を深夜に行うなど、24時間営業を基本とした作業手順が確立されていることも見直しに二の足を踏ませていた。

 セブンは近く始める時短営業実験で、収益や来店客数への影響を見極める考えだ。その検証結果は、人手不足への対応が避けて通れない日本社会全体の在り方に大きな影響を与えそうだ。