トップは語る

フライウィール、データとAIで日本の企業助ける

 □フライウィール社長・横山直人さん(41)

 ――社名の由来は

 「もともとは少ない運動エネルギーを最大化させるギア『弾み車』の意味で、データと人工知能(AI)を使ってそういう役割になりたいという思いで社名にした。データを活用するのはよく言われることだが、グーグルもフェイスブックもマイクロソフトもデータの活用に力を入れている。当社の社員はこうした会社でそれを体験してきた」

 ――具体的にはデータとAIをどう活用していくのか

 「データとAIを活用したさまざまな事業者向けの製品を販売している。広告の閲覧履歴や顧客サポートへの問い合わせ履歴、商品販売の決済履歴といったそれぞれのデータをばらばらに日本企業は管理していたが、当社はこれらのデータを統合してAIで分析できる。原油を精製してハイオクのガソリンにするようなものだ。昨年11月にアスクルの個人向け通販『ロハコ』に製品が導入され、ロハコの利用者一人一人により合ったおすすめ商品が表示されるようになった」

 ――なぜ起業しようと考えたのか

 「日本の商習慣や法規制にきめ細かく対応できないことが、グーグル在籍時代にはあった。米国の本社に対応を求めても『他の国とは日本は違うからできない』と言われてきた。日本の中小企業が解決したいことが10あったらグーグルやフェイスブックでは全部は解決できない。10のうち7はグーグルなどのサービスを活用して、グーグルができない3ぐらいについては、僕らがお役に立ちたいと思った。データをもっといろいろな人に活用してもらうためにはどうすればいいのかを考えてきた。データとAIが普及すれば、もっと生産性を上げられるようになり、本質的なことに人間は時間を使えるようになる。この流れは30年たっても変わらないだろう」

【プロフィル】横山直人

 よこやま・なおと ニューヨーク大大学院修了。2002年9月NTTドコモ入社。09年3月グーグル日本法人、14年9月フェイスブック日本法人を経て18年2月から現職。神奈川県出身。

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