環境新規制、日系企業の対応遅れなど指摘 三井住友海上がセミナー開催 (1/2ページ)

三井住友海上火災保険が開いた中国の環境規制に関するセミナー
三井住友海上火災保険が開いた中国の環境規制に関するセミナー【拡大】

 MS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下の三井住友海上火災保険はこのほど、中国における環境規制に関するセミナーを東京都千代田区の損保会館で開いた。習近平政権下で急速な勢いで進んでいる環境規制強化の動向や、その中で日系企業が必要な対策について、中国で日系企業向け環境ソリューションを手掛けている専門家が説明した。会場では日本企業の中国事業や環境部門の担当者ら約100人が熱心に耳を傾けた。

状況の捕捉「困難」

 セミナーは、MS&AD傘下でリスクマネジメントに関するコンサルティング事業などを手掛けている「MS&ADインターリスク総研」の協力で実施した。同社は2010年に「瑛得管理諮詢(上海)」(インターリスク上海)を設立しており、日系の損害保険会社グループでは、中国で唯一のリスクマネジメント専門コンサルティング会社と銘打っている。

 2月18日に開かれたセミナーでは、インターリスク上海の飯田剛史・高級経理が「中国における環境規制強化と日系企業への影響」について説明。その中で、12年に習近平氏が中国共産党総書記に就任後、環境保護に関する規制が相次いで打ち出されるようになったと強調した。

 1978年に改革開放路線に転じた中国は、経済成長優先で環境に関する法の執行は厳しくない状況が続いた。だが、飯田氏によるとそうした状況は一変。現地では「環境規制への対応が追いつかず、日系企業も含めて苦しんでいる」のが現状だとした。

 2012年以降の環境施策で大きな転換点となったのは、違反企業への罰則が厳格化された15年の「環境保護法」改正と、16年から始まった中央政府による「中央環境監査」だ。同監査は企業だけでなく企業を監督すべき地方政府も監査対象となっている。これらを含めて「法規制をめぐる状況がめまぐるしく変化し、それを捕捉するのが困難になっている」という。

 一連の施策により、「現時点で中国の環境は改善している」(飯田氏)一方で、多くの企業が環境関連の法令違反で行政・刑事罰を受けている。インターリスク上海によると、18年1~11月には重大処罰案件として生産の制限・停止が6000件超、経営者の身柄拘束が7000件超、犯罪立件が2300件超に達した。

 その上で、セミナーでは「上海清環環保科技」(STECO)の江頭利将・総経理が「日系企業における環境規制への対策のポイント」について説明した。05年設立の同社は、日系企業の環境対策の支援業務を手掛けている。

 江頭氏は、中国で進む環境規制について「日本人が考えるスピードとは異なる『異次元』で進んでいる」と強調し、中央政府が進めている環境規制に加えて「地域ごとに『上乗せ基準』や『横出し基準』で競い合っている」といった実態に言及。日系企業が罰金や生産停止といった行政処分を受けた事例を挙げ、厳格化する中国の環境規制にどのように対処していくべきかを助言した。

対策モデル期待