ゼロ金利20年で日銀巧妙化 インフレ・成長率見通し 透明性高まる (1/4ページ)

昨年12月、経団連の審議員会で講演する黒田日銀総裁(ブルームバーグ)
昨年12月、経団連の審議員会で講演する黒田日銀総裁(ブルームバーグ)【拡大】

 現在の日本銀行は20年前にゼロ金利を導入した際と同じ中央銀行ではない。デフレとの20年の闘いを経て、より戦略的に巧妙となった。これはインフレと経済成長率の日銀見通しの正確さを評価した結果だ。その要因として以下の3点が挙げられる。

 期待誘導への変化

 (1)公表される日銀見通しの役割は進化してきた。非伝統的政策の導入初期、日銀の政策委員の見通しは純粋な予測に近いものだった。最近では、黒田東彦総裁の下で、見通しは2%のインフレ目標を達成するために期待を誘導するものに変化し始めたように見える。結果的に、予測の精度は低下している。

 (2)主要な政策転換点前後の日銀のインフレ予測は、コンセンサス(市場予測の平均値)よりも正確である傾向が見られる。サプライズを伴う政策変更の際に、日銀はその影響を事前にある程度評価できるが、市場は必ずしもそうではない。

 (3)大きな政策変更から時間が経過するにつれて、日銀のインフレ予測はコンセンサスよりも正確さが低下する傾向にある。これは、日銀が物価目的を達成するための期待を導こうとする一方で、政策効果の低下という厳しい経済的現実に直面していることを反映している可能性がある。

 ゼロ金利政策導入から20年間で大きく改善したものがある。日銀の見通しの透明性を高める動きだ。日本銀行は見通し公表開始から少しずつ予測期間の範囲を広げてきたことだ。

 速水優総裁当時の日銀がゼロ金利政策を導入してから1年半が過ぎ、同政策が一時解除された後の2000年10月に最初のインフレ見通しが公表された。その予測は5カ月後に終了する00年度のものだけだった。最近では今後3年間程度のインフレと成長率の見通しが四半期ごとに公表されている。

もう一つの傾向