保険業界、生き残りへ転換期 「デジタル革命」でリスク予見、異業種再編も (1/3ページ)

SOMPOホールディングスが開設した介護の研究施設。車いすの自動走行などの実験が行われる=東京都品川区
SOMPOホールディングスが開設した介護の研究施設。車いすの自動走行などの実験が行われる=東京都品川区【拡大】

 保険業界が大きな転換期を迎えている。病気や事故などのリスクに備え支払われる保険料は保険会社の収益の柱だ。だが、人工知能(AI)で膨大な情報を分析する「デジタル革命」により、企業や消費者はリスクをより早く、正確に予見できるようになる。「予知できれば保険はいらない」。そんな時代の到来がにわかに現実味を帯びる中、業界は変革を迫られている。

 未来の介護研究

 昨年11月1日。東京・大手町に生命保険大手の住友生命保険とアクサ生命保険が共同で運営するオフィスが開設された。両社から各3人の社員が常駐し、ここで取り組むのは介護関連サービスの開発だ。介護の知見や専門性を持つ新規の提携先を発掘するのが主な業務で、両社の保険契約者などに介護サービスを提供できるか可能性を探る。

 今年2月5日には、損害保険大手のSOMPOホールディングス(HD)も介護関連の施設を東京都内に設置。自動走行する車いすなどが動き回るこの施設では、最新のデジタル技術を使った「未来の介護」について研究を進めている。

 保険大手が相次いで介護事業に力を入れ始めた背景には、高齢化による将来的な介護市場拡大への期待の大きさがある。また介護保険契約者のデータ活用など本業との高い親和性も要因の一つだ。

 「成り立たない」

 一方、新たな事業領域に踏み込まざるを得ないのは、「デジタル技術の進歩でさまざまなリスクが減れば、既存の保険事業は成り立たなくなる」(SOMPOHDの桜田謙悟社長)との危機感があるからだ。

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