【高論卓説】超低水準の地銀PBR 異次元緩和の副作用、収益悪化に悲鳴 (1/3ページ)

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 日本銀行の異次元金融緩和が始まってから間もなく6年になる。その功罪をめぐる論議が活発になってきたが、効き目が強烈だっただけに、副作用も強かった。副作用の一つは金融機関の収益環境の悪化である。地方銀行、第2地銀の約半数が預貸業務を主力とする本業で2年以上赤字を続けている。みずほフィナンシャルグループは2月上旬、2019年3月期連結決算で約6800億円の損失を計上すると発表した。店舗や次期勘定系システムの減損処理などに伴う損失だ。今後の収益の一段の悪化を見越し、多少の余裕があるうちに重荷になりそうな“負の遺産”を一掃しておこうとの狙いが込められた決定だった。(経済ジャーナリスト・加藤隆一)

 株式市場における銀行の評価は厳しい。株価純資産倍率(PBR)を低い順に並べたランキングの上位は地銀、第2地銀株が独占している。それもトップの高知銀行0.12倍(3月11日現在、以下同)、11位の島根銀行0.22倍といった具合に0.1~0.2倍台の超低水準にひしめく。PBRの低さは地銀、第2地銀に限らない。メガバンク3行も0.5倍前後できびすを接している。

 PBRは株価が1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す投資指標である。1.0倍が貸借対照表を基にした理論的な解散価値といわれ、通常はPBR1.0倍が株価の一応の下値のめどとされてきた。地銀、第2地銀株のPBRのあまりの低さには市場関係者も驚きを隠さない。株価は解散価値もないとみなし、先行きの消滅さえ予見するかのような超低水準に張り付いているからだ。市場からはお定まりの“割安”の声さえ上がらない。

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