【クルマ三昧】最適なドラポジを求めてシートを動かす…こんな動作はもうじき不要に? (2/4ページ)

 可動式ステアリングは古くからある。チルト式ステアリングはステアリングのチルト(角度)を調整するものだ。テレスコピック式ステアリングは、ステアリングシャフトを伸び縮みさせ、ドライバーとの距離を調整する。チルト&テレスコピックステアリングは、その両方を操作することによって、ドライバーとの最適な距離を得るための仕組みだ。

 ところが、調整式のペダル類などは、めったにお目にかかることはないだろう。アメリカで販売されている巨大なトラックやSUV系では、電動可動式のアクセルペダルを装備していることもあるものの、それはとってもレアなケース。ペダル類は固定式。それが一般的である。だが、市販車を改造したレース仕様車で、しかも複数のドライバーが交代でステアリングを握る耐久レース仕様車では、可動式ペダルを採用するのが最近の傾向なのである。

可動式ペダルを採用する理由は?

可動式ペダルを採用する理由は?

 その理由はなぜだ…?

 それは、マシンの重量配分にこだわるからだ。レーシングマシンは、きわめて厳格に前後重量配分にこだわる。フロントエンジンの場合、ドライバーという重量物つまり一般的な成人男性なら60kg~80kgの重量物でさえも、後退させておきたい。フロントヘビーが走りを悪化させるからだ。

 逆にポルシェ911のようなリアヘビーのマシンならば、60kg~80kgのドライバーでさえ可能な限り前寄りに座らせたい。リアばかりが重たくても走りは整わないからだ。

重量物は重心点に限りなく寄せるのが理論上の理想