メーカー

伊藤忠、デサントTOB成立へ 「拒否権」手に決断迫る (2/3ページ)

 このため、伊藤忠は6月の定時株主総会を待たず、会社法に基づく臨時株主総会の招集を視野に入れる。株主提案として石本雅敏社長の更迭などをデサントに迫る手段であり、和解協議を含め和戦両様の構えだ。

 臨時株主総会でデサントの新たな取締役選任案を議決するには過半数の賛成が必要。他の株主を巻き込む委任状の争奪戦に発展する可能性がある。

 この場合、最大株主の伊藤忠グループに加え、7%弱を握る2位株主の中国・安踏(アンタ)体育用品グループも、関係の深い伊藤忠と歩調を合わせる見通し。それでも過半数の獲得には、金融機関や他の株主の賛同を求めることになる。

 金融機関はひとまず「中立」の立場だが、伊藤忠が進めるガバナンス強化をはじめ、市場戦略の軸足を韓国偏在から国内、中国にも適正に配置する再編を見極める構え。他の株主の動向も当然視野に入れるが、資本の論理で構造改革をめざす伊藤忠には「異論をはさみにくい」との声がある。

 五輪商機逃す恐れ

 伊藤忠がスピードを重視する背景には、国際情勢の変化もある。韓国市場はデサントの最終利益の大半を生んできたが、「日韓関係が過去最悪の様相で日本製品の不買運動もある。収益構造の多角化を急ぐ必要がある」(幹部)と国別リスクへの警戒を隠さない。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus