【ガバナンス経営の最前線】(4-1)進む改革 問われる“実践” (3/4ページ)

日本取締役協会の宮内義彦会長から表彰されるヤマハ株式会社の中田卓也社長(右)=2月21日、東京都千代田区
日本取締役協会の宮内義彦会長から表彰されるヤマハ株式会社の中田卓也社長(右)=2月21日、東京都千代田区【拡大】

 そういう意味では、まことに残念ながら大した前進はみられない、といっても過言ではない。世界レベルの“優等生”がいることも事実だが、それらが急増しているわけではない。半面で形式・員数合わせでよしとする企業が多いのだ。現下の最大の課題は、この形式主義に陥り実践に踏み込めない“後方集団”をどうやる気にさせるのかということだろう。

 そして、これはなかなか難しい問題でもある。ルールを強化し、仕組みづくりを強力に促したからといって、コーポレートガバナンスという仕組みが稼働するわけではないし、ましてやこの仕組みを活用して稼ぐ力が強まるとも思えないからだ。

 ただ、国際的な潮流という意味では、そうした“後方集団”に対する風当たりは強まる方向に進む。東京証券取引所も外国人投資家の比率は高まっているが、かれらはコーポレートガバナンスが未熟な企業を避ける傾向がある。これはなにも欧米の投資家に限ったことではない。

 もっとも、業績悪化などに追い込まれる形で“やる気”になるのもこまった話だ。もっと積極的な動機やムードをどう醸成するのかが問われはじめている。

 企業価値向上の要に

 コーポレートガバナンスには、こうした企業価値の拡大とは違った役割への期待も大きい。いわゆる“不祥事の抑止効果”はその代表格といえる。ただ、この点については議論がある。

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