【東京商工リサーチ特別レポート】信用問われる再生ファンド MTM、商業施設再建で相次ぎ暗礁 (1/5ページ)

大沼・山形本店
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 事業再生の投資ファンド、マイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都、以下MTM)が手掛ける山形県の百貨店の再建が揺れている。やはり再建中の岩手県の商業施設は閉店する。MTMは事業再生ファンドとしての「信用」を問われている。(東京商工リサーチ特別レポート)

 MTMは政府系金融機関なども出資する事業再生を手掛ける投資会社として発足した。そのMTMが支援する老舗百貨店の「大沼」の再建が揺れている。

 大沼は山形県唯一の百貨店で、創業は江戸時代の元禄13年(1700年)。創業300年余を誇る地元の名門だ。大沼を運営する大沼(山形県)が経営難に陥り、2018年4月にMTMがスポンサーに名乗り出た。だが、大沼の資金不足から再建に暗雲が漂い始め、仕入代金の支払いが遅れている。

 さらにMTMには大沼への出資金の還流問題も浮上している。難問山積の名門百貨店を巡る再生の現場を、東京商工リサーチ(TSR)情報部が迫った。 

トラブルが続発、口座差し押えも

 大沼の現状について、MTMと大沼の社長を兼務する早瀬恵三氏がTSRの取材に応じた。

 大沼の再建が難航している理由について、早瀬社長は「(MTMと無関係の)投資会社が大沼のスポンサーになりたいという話があったが、困難な要求もあり断った。その後、妨害が始まり資金調達が難しくなった」と話した。

 「妨害」とは何か。早瀬社長は明言を避ける。だが、「大沼の一部幹部や投資会社が関わっている」と断言する。

 「(スポンサーを申し出た投資会社と)面談した際に、スポンサーを譲らなければ出資金の還流などをメディアに流すと言われた。実際、情報を流され資金調達できなくなった」と語る。

 2018年7月、大沼は資金不足に陥る。MTMも資金調達が遅れ、買掛金の一部で決済が遅れた。これ以降、MTMと大沼の幹部の意思疎通が難しくなったという。

「出資金還流」問題で資料を入手