大阪・関西万博を後押し 関西企業がSDGs達成でアフリカに貢献


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 国連が定めた「持続可能な開発目標」(SDGs)への関心が高まる中、独自の製品や技術を持つ関西企業の間で、アフリカの貧困層の課題を解決するビジネスが広がっている。2025年に開かれる大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。開催地決定への投票で、日本への支持が多かったといわれるアフリカへの地元企業の貢献は、万博成功への後押しになりそうだ。

 関西ペイントはマラリアなどを媒介する蚊の動きを封じる成分を配合した塗料を昨年10月、ザンビアで発売した。マレーシアやインドネシアなどアジア圏で販売してきたが、アフリカでは初。塗料を塗った壁や天井に蚊が触れると遠くに飛べなくなり、血を吸う前に死ぬという。ザンビアでは2年前から実証実験に取り組み、想定より半年早く販売が許可された。

 世界保健機関(WHO)によると、2016年に世界で44万5000人がマラリアで亡くなっているが、その9割がアフリカだった。今後はウガンダなど他のアフリカ諸国への展開も目指す。

 ウガンダで14年2月に工場を立ち上げてアルコール消毒剤を製造販売しているサラヤ(大阪市東住吉区)は、16年から同国の公立病院に販路を拡大し、売り上げを伸ばしている。

 ウガンダでは衛生管理への意識が高まり、外国の援助などで病院の整備も進む。同社はビジネスチャンスが拡大するとみて2年前、現地で和食店を展開する日系ベンチャーに出資。事業を多角化して軌道に乗せたい考えだ。

 25年に開かれる大阪万博はSDGsの実現を目指す場として、飢餓や貧困の撲滅、気候変動への対策といった課題への取り組みが発信される。健康・医療、環境保全など、万博のテーマに関連した産業が集積する関西企業への注目度、存在感の高まりが、万博成功には不可欠だ。

 アフリカなど、購買力が低い貧困層向けのビジネスは採算が取りにくく、日本企業は参入に慎重だった。しかし、世界銀行は、19年の実質国内総生産(GDP)成長率は高所得国の2.0%に対し、低所得の途上国は5.9%と予測。市場拡大が期待される。今年8月に横浜市で開かれる「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」ではビジネス環境の改善がテーマに挙げられており、日本政府も支援策に力を入れる。

 これらの流れを受け、アフリカビジネスに興味をもつ関西企業は増加。日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部によると、平成29年度に関西企業から寄せられた貿易投資相談で、アフリカ関連は前年から16.2%増えた。担当者は「外国の人材活用などに興味を持つ企業も増えている」と話す。(阿部佐知子)