ホンダ、二輪車開発を集約 生産までの時間短縮、中印勢に対応

ホンダ熊本製作所の大型二輪車ライン=2016年9月、熊本県大津町
ホンダ熊本製作所の大型二輪車ライン=2016年9月、熊本県大津町【拡大】

 ホンダは、世界首位の販売台数を誇る二輪車の商品開発体制を見直す。子会社が担う研究開発機能を4月1日付で本社の事業本部に集約し、企画から生産までの時間を短縮する。日欧米だけでなく中国、インド勢との競争激化や環境規制の厳格化に対応する。

 本社内に二輪事業本部直轄の「ものづくりセンター」を新設し、熊本製作所(熊本県大津町)の開発機能や子会社の本田技術研究所の二輪R&Dセンター(埼玉県朝霞市)などを移管、統合させる。二輪事業の2018年4~12月期の連結営業利益は2467億円で、四輪事業と並ぶ。ただ八郷隆弘社長は「追い掛けてくるメーカーのスピードは速い。もっとスピード感が必要だ」と危機感を示す。

 年間2000万台が売れる世界最大市場インドの17年のメーカー別占有率は、地元大手ヒーローが36%で首位、ホンダが28%で2位という。ホンダ幹部は「徐々に縮まる傾向にある」と話し、首位獲得を狙う。

 中国の市場規模も年間1500万台と大きい。100社近い地元メーカーがひしめく中で、トップメーカーは200万台以上、ホンダは17年度で116万台だった。

 両国では排気量150ccまでの通勤用スクーターが好調だ。今後は中大型車の需要も見込まれる。深刻な大気汚染により、環境規制も急速に進む。新市場の開拓も見据え、ホンダは新商品を需要や規制に合わせて素早く売り出せる「即断即決体制」(八郷社長)の構築が不可欠と判断した。