企業の人材活用様変わり AI駆使やアイデア勝負 働き方にも大きな影響

企画した寝袋を手に、同僚と話すモンベルの宇野麻里子さん(左)=8日、大阪市
企画した寝袋を手に、同僚と話すモンベルの宇野麻里子さん(左)=8日、大阪市【拡大】

 企業の人材活用が様変わりしている。人手不足を背景に人工知能(AI)を駆使して店舗運営を効率化したスーパー、社員のアイデアから生まれた製品で勝負する専門店。いずれも働き方に大きな影響を与えている。

 平日の夕方、食材を買い求める多くの客と対照的に店員はまばらだ。天井やショーケースに設置された約200台のカメラが売り場の様子を絶え間なく捉え、品切れを防ぐために見回る係などの人手は少なくて済む。

 トライアルカンパニー(福岡市)が運営するスーパー「トライアルQuick」(福岡県大野城市)はAIとデータを活用した最先端の店舗だ。

 客は、商品情報を読み取るスキャナーとタッチパネルを備える買い物カートを使用。商品をスキャナーにかざしてカートに入れ、店の出口近くにある精算コーナーでパネルを操作すれば、登録した専用プリペイドカードから代金が支払われる。

 近所に住む60代のパート女性は「合計金額を見ながら商品を選べて無駄遣いしない。買い物時間を短くできるのもいい」と話す。店員が少なくても抵抗感はないようだ。

 工具のインターネット通販を手掛ける「MonotaRO(モノタロウ)」は、スマートフォンのアプリで入出店や支払いを管理する無人店舗を佐賀大本庄キャンパス(佐賀市)に開設。「投資費用も抑えられる」(広報)と期待する。

 アウトドア製品大手のモンベル(大阪市)は、社員とアルバイトの約2000人全員が新製品の提案権を持ち、年4000件以上のアイデアが集まる。

 視点が優れていれば、企画部門と二人三脚で製品化を検討。冷え性の人を考え、足元部分のダウン量が多い女性用寝袋を実現した宇野麻里子さんは「自分が欲しいものを作れる」と満足げだ。

 年間数千着売る犬用救命ジャケットを企画したのは山内基久さん。有料会員サービスの担当で、妻と2匹の犬と暮らす。改良を繰り返し「ほぼ完成型になった」という。

 熟練の登山技術を持つ社員、子育て中の女性社員といった多様な発想を生かし、野外ツアー企画も全国の約120店から発掘する。竹山史朗常務は「地域に入り遊び方を見つけ、つながりをつくる。それが新しいアイデアを生む」と話した。