【ワークスタイル最前線】女性登用、危機乗り越え強み りそなHD (1/2ページ)

埼玉りそな銀行行田支店長の新井弘美さん(右)=1月、埼玉県行田市
埼玉りそな銀行行田支店長の新井弘美さん(右)=1月、埼玉県行田市【拡大】

 ■管理職比率3割に

 女性活躍で先端を走る「りそなホールディングス(HD)」。傘下の埼玉りそな銀行(さいたま市)は、女性社員比率53.1%、女性管理職比率32.8%(いずれも2018年9月)を誇る。昨年末には「女性が輝く先進企業」の内閣総理大臣表彰にも選ばれた。

 原点は03年の経営危機「りそなショック」。公的資金の投入で実質国有化され、働き盛りの男性社員がごっそり辞めた。「必然」として進めた女性の登用が、今では強みに転じている。

 立て直し案の一柱

 「優等生的な案だね。とがった意見があってもいい。もっと深掘りして」。1月22日、埼玉りそな銀行で開かれた「さくらそうプロジェクト」中間発表会。池田一義社長(62)が厳しい言葉を発すると、若い女性社員たちの表情がこわばる。

 女性の視点を生かした改革を目指し、15年度に始まった企画。「キッズスペース付き相談ブース」もここから生まれた。

 「りそなショック」では給料が減り、賞与がなくなった。早期退職制度も導入され、社員がどんどん辞めた。「不安でした」。経営管理部SDGs推進室長の橋本景子さん(49)が振り返る。

 立て直しのためJR東日本から招いた細谷英二・りそなHD会長(故人)が改革を断行、柱の一つに据えたのが女性の活用だった。

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