サウジアラビア国営の石油会社サウジ・アラムコは27日、石油化学大手サウジ基礎産業公社の株式の70%を取得すると発表した。政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)から691億ドル(約7兆6千億円)で買い取る。
石化事業の強化で、原油価格の変動に左右されやすい経営体質を転換したい考えだ。アラムコのナセル最高経営責任者(CEO)は声明で「われわれはより強力な事業を生み出し、競争力を高めるだろう」と強調した。
産業公社はサウジの証券取引所に上場しているが、アラムコは上場株式を取得する計画はないとしている。
アラムコと産業公社の石化製品の生産能力はそれぞれ年間で1700万トンと6200万トン。アラムコは石油精製能力を現在の日量490万バレルから、2030年までに800万~1千万バレルに高め、そのうち200万~300万バレルを石化製品の製造に活用する計画だ。(共同)