クルマ三昧

デリカD5は新型か改良型か… 「フルモデルチェンジ」の定義論にメス (1/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 “新型”デリカD5の試乗会に参加した。すでにスタイリングは資料で確認していたから驚きはしなかったが、少なくともフロントマスクには旧型の面影はまったくなく、これがデリカD5なのかと疑いたくなるほどの変身ぶりには少々面食らった。(レーシングドライバー/自動車評論家 木下隆之)

 実際に、走りの性能は格段にアップしていた。搭載されるディーゼルエンジンはパワーもトルクは変更している。数値的には驚くものはないが、フィーリングは別物と言っていい。組み合わせたATミッションが、6速から8速に多段化されたこともあり、低回転域からのスムースになった加速スタイルに驚きを隠せない。走りは見違えるように洗練されたのである。

 操縦フィールも激変した。力強さだけが特徴だった旧モデルとは異なり、アーバン4WD的な洗練度を高めたのには驚かされた。デリカの生息地はダートだとばかり思っていたもの、都会を闊歩するのもいとわない。アーバン4WD的感覚が増したのである。

 さらにいえば、尿素を噴霧するなど排ガス性能も大幅に改善している。デリカD5には道なき道を突き進むという力強いイメージがあるから、偏見を交えて言えば、環境性能に秀でたものはないと甘く見ていた。だが、徹底的に環境性能を高めたことには感心する。

 ボディも大幅に強化が進んだ。衝突安全性能も格段に増した。フロントエンドの外皮を剥げば、ほとんど新設と思えるほど構造が改められている。フロントの意匠が大幅に変更されたのは、フロント部分の衝突安全性を高めるために、パイプやパネルを張り巡らしたからだ。

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