試乗を進めているうちに、新型デリカが大変身したことに納得した。それは意匠だけでなく、動力性能や操縦安定性や、あるいは環境性能や衝突安全性能も及んでいたのだから、「大変身」といっていいだろう。三菱にとって、力をギュウギュウに込めた力作なのだ。
と、ここで素朴な疑問が芽生えた。というのは、従来モデルの面影が薄れるまで改良したにも関わらず、あるいは新型と名乗っているにも関わらず、この新型デリカＤ５は新型ではない。あくまでマイナーチェンジという扱いなのである。モデル追加といっていい。
そもそも、新型の定義はなんなのだろう。疑問に思う。かつては「新型＝フルモデルチェンジ」と「改良＝マイナーチェンジ」と明確に分けて語られていたのに、最近は曖昧になりつつある。
ちょっとした改良でも「新型がデビューしました」と宣伝される。僕ら専門家が得られるプレスリリースでも、ちょっとしたフェイスリフトでも新型と語るのが常識になりつつあるから厄介だ。