高論卓説

エネルギーインフラの強靭性と太陽光発電 (1/2ページ)

 ■安定供給に不安、電源多様化が必要

 昨秋の北海道胆振東部地震に伴う北海道全域停電を契機に、災害時も含めたエネルギーインフラの強靱(きょうじん)化が改めて求められている。

 全域停電の原因は、「平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会」によると、苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所1、2、4号機の停止と主な送電線4回線の事故による水力発電所の停止が同時に起きた複合要因という。

 発電所や送電線の耐震性を高めるのは当然として、今回誰の目にも明らかになったのは、電気の供給は綿密な制御の下におこなわれており、綱渡りのように危ういということだ。

 使用量(需要)と発電量(供給)を秒単位で一致させる「同時同量」という需給バランスが崩れると、周波数が上下し、産業機器の不安定動作や生産ラインの停止につながる。

 発電所の蒸気タービンの回転数が下がり、振動でタービンが損傷したり、異常電流で発電機が故障したりする可能性もある。これを防ぐため、発電機は自動停止する仕組みになっている。

 先の地震では急激に発電量が下がり、何度か調整したものの奏功せず、結果として全発電所が停止する事態になった。この反省を踏まえ、発電設備の場所や種類、容量の適切な配置と多重化が求められよう。

 一方、「同時同量」を維持するため、太陽光発電の出力抑制に踏み切ったのが九州電力だ。

 九州は再生可能エネルギー(以下、再エネ)の適地が多いとされ、面積、人口、需要電力量は全国の1割である九州に、全国の2割に当たる太陽光・風力が設置されているほど。

 太陽光・風力は時間や天候により発電出力が変わるので、変動を火力発電などの調整で補わねばならない。九電は、60ヘルツ±0.2ヘルツを保つよう制御している。

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