経営に新風、ドイツ起業家挑む レストラン展開 従業員幸福度と顧客満足両立 (1/2ページ)

シュマッツ中目黒店前に立つ経営陣。右から2人目がアックス氏、3番目がリュッテン氏=東京都目黒区
シュマッツ中目黒店前に立つ経営陣。右から2人目がアックス氏、3番目がリュッテン氏=東京都目黒区【拡大】

 今風のドイツ料理と本格的ドイツビールを味わえるレストラン「SCHMATZ(シュマッツ)」が都内に急増している。ドイツ・ハンブルク出身の幼なじみが赴任先の米ニューヨークで出会い、夢を語り合ううちに日本での起業を決断。試行錯誤しながら日本の飲食市場を理解し、顧客満足と従業員幸福度を両立させるビジネスモデルを確立。2015年の1号店を皮切りに3月22日には14番目となる中目黒店(東京都目黒区)をオープン。今後は地方への出店、さらには海外展開も視野に入れる。

 ニューヨークでのセレブ生活から一転、東京で貧しい倉庫暮らしを味わった上での創業という成功物語の主人公は、シュマッツを立ち上げたクリストファー・アックス氏(31)、マーク・リュッテン氏(28)という2人の最高経営責任者(CEO)だ。

 日本にはイタリアやフランスの料理店が数多くあり、アイリッシュパブやスペインバルが根付いている。一方で若い世代のドイツ人が好む手頃なカジュアル料理を提供するレストランがないことに気付き、それぞれ100万円程度のわずかな資金を握りしめて13年11月に中目黒で事業を立ち上げた。

 97万5000円で中古トラックを購入し、ドイツビールとジャーマンソーセージを販売する移動店舗(フードトラック)を始めた。「日本でモダンドイツ料理が受け入れられるか分からないので、夢に向けて小さく始動した」(アックス氏)。

 顧客の声を聞ける距離の近さをメニュー開発に生かした。ドイツ人のソウルフードである焼きたてソーセージのほか、伝統料理を今風にアレンジした進化系、日本の食材を取り入れた和テイストなどをそろえた。ドラフトビールはドイツ産モルト、ホップ、酵母にこだわり日本で醸造、輸入ビールとは違いフレッシュさを味わえる。

 15年に念願の店舗を赤坂(港区)に開設。口コミで人気となり表参道(同)、銀座(中央区)、五反田(品川区)と店舗を拡充。14店目は2人にとってルーツといえる中目黒にオープンした。

 東京急行電鉄・東京メトロ「中目黒駅」から徒歩1分、桜の名所、目黒川沿いにある同店は花見客などでにぎわう。開花にあわせて7日までの期間限定で用意したピンクブレッツェルとピンクグリッタービールは人気で、「おいしい」「かわいい」と言って桜をバックに写真を撮って早速、会員制交流サイト(SNS)に載せる来店客もいた。ハッシュタグ付きで投稿すれば、売り上げの一部が目黒の桜保護活動に寄付されることも受け入れられた。

夢実現にギブアップ決してしない