東京海上、中小企業向け確定拠出年金 手続き簡略 月内開始

 東京海上日動火災保険は、従業員20人以上の中小企業向けに、導入手続きが簡単な独自の企業型確定拠出年金(DC)の取り扱いを月内に始める。運営コストや手間がかかるため、DCなどの企業年金を導入しない中小企業は多く、人材流出の原因にもなっている。こうした課題に対応するため、掛け金選択の絞り込みや必要書類を省略化した商品の提案で、中小企業でのDC導入を促す狙いだ。

 企業のDC導入にかかる負担を軽減するため、各社員の契約内容に応じて必要だった申請書類などの手続きを大幅に削減。月額掛け金の選択肢を5千円、1万円、1万5千円の3パターンに絞り、企業側が導入するための書類を定型化するなどして、運営にかかるコストも削減した。

 従業員100人未満の中小企業のうち、企業年金のない企業は約8割を占めるとされる。企業年金など福利厚生が不十分であることを理由に大企業に人材が流出する例も散見される。東京海上は、従業員20人以上の小規模事業者でもDCを導入しやすい商品を提供することで、中小企業への支援も図る。

 確定拠出年金制度は昨年5月に改正され、従業員100人以下の中小企業に対して導入手続きを簡略化した「簡易型確定拠出年金」が創設された。同社が提供する今回の商品も、新設された簡易型の制度にのっとり設計している。

 確定拠出年金は、国が運営する国民年金や厚生年金の上乗せ部分となる企業年金の一種。事業主が掛け金を支払う企業型と、個人型のiDeCo(イデコ)があり、いずれも個人が投資信託などの金融商品を選んで掛け金を運用する。掛け金は全額所得控除され、運用益も非課税となる。