業務用空調機器の販売・施工・修理を手掛ける伊藤テクノ（東京都葛飾区）は、故障などのトラブル時に無線ボタンで迅速に対応するコミュニケーションツール「ヘルピー」の販売を月内にも始める。空調機の修理需要を開拓するほか、電気工事や家事代行など幅広く異業種と連携し、顧客の困り事の解決を図る。初年度は２０００台の出荷を計画している。
ヘルピーは縦６．８センチ、横１１．３センチ、奥行き１．８センチで１０８グラム。単４電池３本で１年間稼働する。空調の故障などが発生したときにボタンを押すと、内蔵された無線ＬＡＮを経由してメールで連絡する。通知を受けた同社はすぐに顧客に電話をかけて状況を聞き、要望に対して速やかに対応する。
店舗や工場に設置されている業務用空調機器は取り付け後、ほとんどトラブルなく運用できるが、８年目以降から故障リスクが高くなる。故障時には、「取り付け業者の連絡先が不明」「倒産や廃業などで連絡が取れない」といった困り事が多いという。販売会社が下請けに取り付けを依頼していた場合は設置状況が分からず、現地調査からやり直すことになって時間と費用がかさむ。
同社は業務用空調機器の販売のほか、施工・修理を専門で手掛けていることから、困った事業者からの修理依頼が多く、簡単に故障が解決できるツールが必要と考えて、独自にヘルピーを開発した。