エンジンは強力だから、速度計の針はまるで回転系の針を追い越すような勢いで上り詰めていく。だが、恐怖と緊張は抑えられている。マシンが路面に吸い付いていくからである。
カタログによると0-100km/hが2.9秒だという。でも、それほどの恐怖感はない。マシンが安定しているからだ。速度が250km/hに達すると100kgのダウンフォースでマシンを路面に押し付けるのだからそれも納得する。
負けず嫌いのレース屋がロードカーを作るとこうなる。
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【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちらから。
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