【高論卓説】平成は本当に「失われた」のか 主な事象を挙げてみた (1/3ページ)

元号「平成」を発表する当時の小渕恵三官房長官=平成元年1月7日、首相官邸
元号「平成」を発表する当時の小渕恵三官房長官=平成元年1月7日、首相官邸【拡大】

 ■経済体質高度化に成功した進化の時代

 4月に平成が終わり、5月に新天皇が即位し、これに伴い元号が改まり、令和の時代となる。日本は新たな時代を迎える。米ソ冷戦終結後、長い間続いてきたグローバリズムが崩れつつあり、ナショナリズムに回帰する動きが各国で起こり、同時に米中冷戦が開始され、時代が大きく変わってきている。

 巷間(こうかん)では「失われた30年」とか、「敗北した平成」という言葉で、平成時代を否定的に語る言説がジャーナリズム、学者だけでなく経済人にもあふれているが、昭和、平成を通して今日まで職業人として国内外で仕事を続けてきている筆者にはこうした言説に強い違和感を覚える。

 海外出張や旅行で欧米や中国の現状を目の当たりにし、日常的に多様なソースより各種海外情報を収集していると、こうした言説に対する疑問が募ってくる。違和感を検証するため、日本の国力を示す各種経済統計の平成時代の趨勢(すうせい)および顕著な事象を挙げてみた。(統計数字は入手可能な直近年)

 (1)日本の対外純資産額は328兆円で過去27年連続世界一。2位はドイツの261兆円、3位が中国の204兆円。

 (2)国民1人当たり実質GDP成長率ではG7(先進7カ国)の中で首位。

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