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北極圏LNG、官民の思惑交錯 領土交渉カードと採算性で歩調に乱れ (1/4ページ)

 ロシアの独立系ガス大手ノバテクが、北極圏の液化天然ガス(LNG)事業への参画を三井物産と三菱商事に打診し、官民は水面下で参加を模索している。領土交渉を進めたい官邸は北極圏LNGへの参画を交渉カードにしたい考えで前のめりだが、民間は経済合理性の観点から慎重に交渉を進めており、足並みは乱れている。6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて開かれるとみられる日露首脳会談が節目になるだけに、打開策を打ち出せるかが鍵だ。

 露政権肝煎り事業

 ノバテクが進めるのは、北極圏にあるロシア北部ヤマル半島でのLNG事業の第2弾「アークティック(北極)2」(ヤマルLNG2)の建設計画で、総事業費は3兆円超ともいわれる。ノバテクはヤマル2の権益に6割を出資する方針で、既に仏石油大手トタルが10%を出資する方針を表明し、30%を日本、サウジアラビア、中国企業に打診する。

 プーチン大統領は、今月9日にサンクトペテルブルクで開かれた「第5回国際北極圏フォーラム」でも改めて北極圏開発の重要性を強調。石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査部の原田大輔担当調査役は「早晩、既存油田の減退が見込まれる中で、北極圏のLNG開発はその代替開発であり、アジアの新たな市場開拓につながるプーチン政権最大の肝煎り案件」と分析する。

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