高論卓説

組織の成功に欠かせぬ信頼関係 主役支える図式崩れれば迷走 (1/2ページ)

 先日、横浜アリーナで行われた松任谷由実さんのツアーコンサートを聴いてきた。ユーミンこと、松任谷由実さんは昨年、デビュー45周年を迎え、これまで作詞、作曲した楽曲から45曲を選び、「ユーミンからの、恋のうた。」を発表した。そのアルバムは、発売最初の週に10万枚以上を売り上げ、初登場で1位を記録した。

 私は昨年11月、ユーミンと同世代で活躍を続ける山下達郎さんのコンサートにも出かけたが、そのパワーにも心底、驚いた。二人ともデビュー当時からファンとして聴いてきた私からすると、3つ、4つ歳上の背中を追いかけたくなる姉、兄といえる存在である。

 達郎さんが最近、よく語っていることなのだが、このところポップス系の音楽は、打ち込み、貼り付けと呼ばれるコンピューターを使った制作が主流となり、そのためにライブで演奏できる腕の立つミュージシャンが育ちにくくなっている。

 しかし、ユーミンも達郎さんも、コンサートでは抜群にうまいミュージシャンをバックに思い切り歌っている。アルバムを制作する際、コンサートで再現可能なアレンジにして、腕利きのミュージシャンがソロをとれる間も十分にある、生き生きした音楽としているのだ。

 そもそも音楽は、実演が基本である。実際に、お客さんの前で演奏できない音楽にリアリティーはない。それは、何百年もの歴史を持つクラシック音楽でもいえることだ。打ち込み音楽といえば、アニメーションと一体となった初音ミクが有名だが、人が人の前で歌い演奏するものを超えることは、やはりできないと私は思う。

 ユーミンも達郎さんも元気だとはいえ60歳をとうに越えており、コンサートでは喉の調子で完璧に歌えないこともある。しかし、それをカバーするミュージシャンの演奏、PAエンジニアによるサウンド・コントロール、ライブ感を高めるライティング、さらにはプロジェクション・マッピングの映像など、多くの人々が力を合わせて主役を支える。

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