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神戸空港、夜11時まで運用、発着枠拡大 規制緩和で合意

 関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港のあり方を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が11日、大阪市内で開かれ、神戸空港の規制を緩和することで合意した。運用時間は夜間1時間の延長、発着枠は1日60回から80回となり、開港以来初めての規制緩和が決まった。焦点だった神戸、伊丹両空港の国際線就航は今後の検討課題とされ、結論が持ち越された。

 3空港懇は昨年12月以来の開催。会合は非公開とされ、大阪府の吉村洋文知事、兵庫県の井戸敏三知事、関西エアポートの山谷佳之社長らが出席した。

 今回の合意で、神戸空港の運用時間(午前7時~午後10時)は午後11時までに延長。発着枠拡大とともに、遅くとも令和3(2021)年までに規制が緩和される。国際線就航を認めるかは、2025年大阪・関西万博に向けた中期的な課題との位置づけにとどまった。

 一方、関空の発着回数の上限(年間23万回)の根拠となる環境影響評価(アセスメント)の見直しも万博開催までの課題とされた。伊丹の国際線就航については「状況に応じて議論する」とした。

 ■ビジネス客増加に期待

 神戸空港の発着枠拡大などが合意されたことを受け、地元自治体や経済界には「規制緩和の方向が明確になった。まずは第一歩」(井戸敏三・兵庫県知事)などと歓迎ムードが広がった。夜間の運用時間が延長されればビジネス利用の増加につながり、地元が期待する国際線就航への機運も高まりそうだ。

 神戸空港は騒音の影響が少ない海上空港で、本来は24時間運用が可能とされる。空港から神戸市中心部の三宮までは車や新交通ポートライナーで約20分、阪神間や大阪市内にもアクセスしやすい。現在、羽田-神戸の最終便は午後8時15分発。運用時間が午後11時まで延長されれば、東京での滞在時間も延ばせることになり、ビジネス利用客の増加が見込まれる。

 神戸商工会議所の家次恒会頭は「東京で夜の会合に出席できるようになり、企業にとってメリットは大きい」と期待する。神戸市の久元喜造市長は、空港へのアクセス改善やターミナルの整備について「早期に検討を進めたい」と応じた。

 ■兵庫県知事は「不十分」

 ただ、兵庫県は昨年12月の3空港懇で運用時間を午前6時~翌午前0時に、発着枠は1日120回にすることを提案。国際定期チャーター便就航も認めるよう求めていた。

 それだけに井戸知事は3空港懇後、「当初の主張が値切られており、不十分な点がある」と強調。兵庫県は、地元の要望が強い大阪(伊丹)空港での国際線再就航も訴えていく構えだ。(岡本祐大)

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