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改正電波法公布 「5G」通信網の整備本格化へ

 政府は14日、電波利用料の増額などを柱とする改正電波法の公布を閣議決定した。公布は17日の予定。携帯電話事業者は高速大容量の第5世代(5G)移動通信方式の年内実用化に向け、基地局開設などの準備を本格化させる。地方創生を看板政策に掲げる安倍晋三政権は、成長戦略の基盤となる通信網整備を通じて都市と地方の格差をどれだけ早期に縮小できるかが課題となる。

 改正法は、電波利用料の改定について公布から9カ月以内に施行するとしており、利用料の増額は10月ごろになる見通しだ。

 政府は5G整備を通じ、人工知能(AI)や「モノのインターネット」(IoT)といった先端技術を活用し、経済成長を実現する未来社会「ソサエティー5・0」を描く。5Gは「21世紀の基幹インフラ」(石田真敏総務相)といえる。

 5Gは現在の4Gに比べて通信速度が100倍速く、低遅延や同時多数接続を特徴とする。携帯事業者各社の5年間の基地局整備費は4Gの約2~4倍となる数千億円規模に上る。

 米国や韓国で5Gが始まる中、総務省は4月、携帯事業者4社に5G電波の割り当てを認める際、2年以内に各都道府県の少なくとも1カ所で基地局を運用することを条件とした。

 これだけでは「通信網が整備された都市部と、そうでない地方の格差が解消されない」(総務省幹部)として、全国を約4500区画に分け、令和6年までに50%(2250区画)以上で基地局を展開することも求めた。

 4社は5G基地局の整備費に2千億~8千億円を計上し、来年3~6月にサービスを始める計画を総務省に提出した。来年の東京五輪・パラリンピックを見据え、今年中にプレサービスを実施する。6年までの基地局展開率は50%台から90%台としている。

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